AIが葬儀を変えるとき、人にしかできないこと(エンディング産業展イベントブースより)
エンディング産業展2026 現地レポート

AI・DXが進む葬儀の現場で、「人にしかできないこと」とは
2026(令和8)年9月10日11日、東京・有明にて「エンディング産業展」が開催されました。
葬儀・供養・終活など、エンディング産業に関わるさまざまな企業・団体が集まり、新しいサービスやテクノロジーが紹介される中、日本グリーフアカデミーの尾上も登壇しました。
今回のテーマの一つとなったのが、葬儀の現場におけるAI・DXと、人との関わりをどのように両立していくのかということでした。

目次
エンディング産業展が東京・有明で開催
葬儀の現場にも広がるAI・DX
「遺影を選ぶ時間」をグリーフから考える
AIで「人にしかできない時間」をつくる
葬儀後も続いていくグリーフ
1. エンディング産業展が東京・有明で開催
会場では、葬儀や供養に関する商品・サービスに加え、業務のデジタル化やAIを活用した新しい取り組みも数多く紹介されていました。
葬儀のあり方そのものが、テクノロジーによって大きく変わり始めていることを感じる展示会となりました。
2. 葬儀の現場にも広がるAI・DX
登壇では、葬儀の案内、供花の受発注、請求、葬儀後の情報提供、さらにAIによる遺影写真の作成など、これまで人が行ってきた業務をデジタル化する仕組みが紹介されました。
そこで尾上が投げかけたのが、
「効率化によって、人との対話まで減ってしまわないか」
という問いです。
3. 「遺影を選ぶ時間」をグリーフから考える
たとえば、遺影写真を選ぶ時間。
ご家族が写真を見ながら、
「このときのお父さん、楽しそうだった」
「この旅行が好きだったんです」
と故人について語ることがあります。
一見すると「写真を選ぶ作業」ですが、グリーフの視点から見ると、大切な人との時間を振り返り、その人について語る大切な時間でもあります。
AIによって遺影写真を数分で作れるようになったとしても、この時間まで効率化する必要はありません。
4. AIで「人にしかできない時間」をつくる
発注や入力、画像処理などをAIに任せることで、そこで生まれた時間をご家族との対話に使うことができます。
AIが人に代わるのではなく、AIによって「人にしかできない時間」をつくる。
今回の登壇を通じて、これからの葬儀DXを考えるうえで、とても重要な視点が見えてきました。
5. 葬儀後も続いていくグリーフ
葬儀が終わっても、ご遺族のグリーフが終わるわけではありません。
今回紹介されたシステムには、四十九日や一周忌など、その後の節目に合わせて情報を届ける仕組みもありました。
大切なのは、単にサービスを届けることではなく、**「そのとき、ご遺族はどのような時間を過ごしているのか」**という視点を持つことです。
AIやDXが進むほど、「聴くこと」「語ること」「故人を思うこと」といった、人にしかできない関わりの価値が、より鮮明になっていくのかもしれません。
日本グリーフアカデミーでは、これからも葬儀・供養・終活を取り巻く変化を見つめながら、グリーフケアの視点から新しい弔いのあり方を考えていきます。

