
代表理事からのメッセージ
白瀧 貴美子
代表理事
臨床傾聴士(上智大学グリーフケア研究所認定)
看取り士
急性期病院にて外科・整形外科・循環器領域などの看護に従事した後、訪問看護、地域包括支援センター、看護小規模多機能型居宅介護など、地域に根ざした現場で活動を続けています。
現在の活動の原点には、27年前に母を看取りました。
当時、3人の子どもはまだ幼く、日々の家事や育児に追われながら生活していた。忙しい毎日を過ごす中で眠れない日々が続き、次第に体調を崩していったが、その原因が何であるのか、自分自身でも分からなかった。ただ、「頑張らなければ」という思いの中で、一人で抱え込みながら過ごしていました。
看取りから時間が経つにつれ、自分自身の状態さえ分からなくなっていった。そして後年、グリーフ(悲嘆・喪失)について学び始めた時、初めて「あの時、自分は深いグリーフを抱えていたのだ」と気づきました。その経験が、現在の活動の原点となっています。
看護師として多くの看取りや死別に向き合う中で、医療だけでは支えきれない悲しみや、生きづらさにも数多く触れてきました。
一人ひとりが自身の思いや大切にしていることを語るためには、信頼関係、環境、時間、タイミングなど、さまざまな要素が必要となります。また、人の思いは揺れ動きながら変化していくものであり、継続的な支援が必要となる場面も少なくありません。
さらに、身体的・精神的・社会的・スピリチュアル的な支援を実践していくためには、医療のみならず、多職種との連携や地域との関わりが欠かせないことを実感してきました。
看取り士として関わったご家族から、「母のことは先生や看護師さんが支えてくださるけれど、私は誰にも支えてもらえていないように感じます。私のことも支えてください」と涙ながらに語られた言葉は、今も深く心に残っています。
その経験を通して、支援とは一人で担うものではなく、多くの人が関わり合いながら支えていくものであることを学びました。
現在は、上智大学グリーフケア研究所資格認定課程にて、グリーフケア・死生学・スピリチュアルケアについて学びを深めながら、一般社団法人日本グリーフアカデミー代表理事として、グリーフに関する研究、遺族支援、地域活動、対話の場づくりなどに取り組んでいます。
日本グリーフアカデミーでは、医療・看護・宗教・葬送・地域など多様な領域を横断しながら、研究と実践、社会実装を往還させる活動を行っている。
グリーフについて学び、語り合い、支え合う文化が社会に根づくことで、人と人との思いやりある関わりが育まれ、その文化が次世代へと受け継がれていくことを願っている。
現在は、訪問看護や傾聴活動など地域での実践を続けながら、死別とグリーフに関する研究活動、セミナー講師、遺族支援、多職種連携による対話の場づくりにも力を注いでいます。
