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一般社団法人日本グリーフアカデミー3分で読めます

家族を支えるケアは、お別れの前から― エンドオブライフケア学会 参加レポート

10月3日・4日、つくば国際会議場で開催されたエンドオブライフケア学会に参加しました。
エンドオブライフケアとは、人生の最終段階を迎える方と、そのご家族の暮らしや思いを支えるケアのことです。

今回のレポートでは、学会で聴いたお話のなかから、グリーフケアと家族への支援について、心に残った学びをご紹介します。

グリーフとは、大切な人やものを失ったときに生じる、悲しみをはじめとしたさまざまな反応を指します。グリーフケアと聞くと、身近な人を亡くした「あと」の支援を思い浮かべる方も多いかもしれません。

けれども、ご家族の不安や悲しみは、お別れの前から始まっていることがあります。病気の進行を見守る時間、これまでのように会話ができなくなる寂しさ、これからの治療や暮らしを考える迷い。その時間をどう支えるかも、グリーフケアの大切な一部なのだと、あらためて考えました。

とくに印象に残ったのは、ご家族だけに、決断の重さを背負わせないという視点です。

本人が希望を伝えられなくなったとき、ご家族が治療やケアについて尋ねられる場面があります。「あの人なら、どうしただろう」と考えて選んでも、あとになって「あれでよかったのだろうか」と思い返すことがあるかもしれません。

講演では、在宅でのお看取りの場面も紹介されました。ご本人の希望どおり最期まで自宅で過ごされ、お別れのとき、ご家族が涙を流しながら「よかったね」と声をかけられたそうです。悲しみのなかにも、そう言えるお別れがある。そのことが心に残りました。

講演では、こうした場面で、医療やケアに関わる人たちが一緒に考えることの大切さが語られました。

本人が大切にしてきたことは何か。どのような選択肢があり、それぞれ暮らしにどう関わるのか。分からないことや迷いも含めて話し合い、その時点でできることを一緒に探していく。その過程そのものが、ご家族を支えることにつながるというお話でした。

もちろん、十分に話し合ったからといって、悲しみや後悔がなくなるわけではありません。懸命に関わっていても、心に残る思いはあります。

それでも、振り返ったときに「一人で決めたのではなく、みんなで考えた」と思えること。一緒に悩んでくれた人がいたと感じられることは、その後の日々を支える一つのよりどころになるのではないでしょうか。

また、本人の希望を知るための対話は、特別な話し合いだけに限らないと感じました。

どこにいると落ち着くのか。誰と過ごしたいのか。日々の暮らしで、何を楽しみにしているのか。普段の会話のなかにも、その人らしさを知る手がかりがあります。気持ちは変わることもあるからこそ、一度聞いて終わりにせず、そのつど耳を傾けることが大切なのでしょう。

今回の学会は、お別れの前とあとをつなげて、ご家族への支援を考える機会になりました。

悲しみをなくすことを目指すのではなく、不安や迷い、後悔を一人で抱え込まずにいられるようにすること。日本グリーフアカデミーでも、今回の学びを研修や語り合いの場に生かし、大切な人を思う方々を支える活動を続けてまいります。